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「教育と刃物」セミナー報告

 

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[2013.6.28]連続セミナー『教育と刃物』

連続セミナーをスタートします!

第1回「人類と刃物」──考古学・文明学・身体科学の視点から

刃物と教育の事情に通じた講師12人による年間リレー式の連続セミナー。初回は考古学・文明学・身体科学の視点から刃物の価値を再発見します。

 

刃物刃物刃物

かつての日本では、誰もが1本の刃物を巧みに操り、暮らしに関わるさまざまな「モノ」や「コト」を作り出すことができました。

ところが、この半世紀ほどの間に社会の状況は一変しました。判断力の未熟な子供からは刃物を遠ざけるべきという風潮が定着すると同時に、先端技術やサービス産業の発達により、ひとりひとりが毎日刃物を使いながら暮らしをクリエイトする必要性も薄れました。

刃物を使う習慣が日常から失われていった結果、子供たちの発達に関わる領域ではさまざまな変化が起きています。子供たちばかりか、刃物を使いこなすことを忘れた日本人は、もう2世代から3世代にも及びつつあります。

この異変を、日本エコツーリズムセンターはとても重大なことととらえています。

 

一方近年、子供たちの生きる力を高めることの重要性が、さまざまなところで叫ばれています。東日本大震災時のライフラインの途絶をきっかけに「生存技術」の重要性もクローズアップされています。

刃物は使い方によっては危険な道具ともなりますが、本来は優れた利便性を持つ道具です。

 

この連続セミナーでは、刃物と人間の本質的な関係を振り返り、刃物をめぐる現状と課題、刃物教育に関する各種の先進事例、専門家による教養・実技講座など、刃物を軸にしたテーマを幅広く取り上げていく予定です。ぜひご参加ください。

【facebook】に「教育と刃物」の特設ページがあります。

>http://on.fb.me/15DC9bh

エコセンProject12

[第1回目ゲストスピーカー]

 関根秀樹氏(和光大学非常勤講師/原始技術史)

 

関根秀樹

【せきね・ひでき】1960年福島県生まれ。和光大学や桑沢デザイン研究所などの非常勤講師。古代発火技術や民族楽器の実践研究で知られ、パプアやアフリカの狩猟採集民の火起こし名人たちと競争して勝ったり、ネイティブアメリカンの長老たちに火起こしをレクチャーしたこともある。刃物に関する造詣も深く、古代の石器や日本の鍛冶技術を含む民俗刃物に通じる。各地の美術館や学校などで木や竹のものづくりワークショップを開催。主な著書に『縄文人になる!』(山と渓谷社)、『刃物大全』(共著・ワールドフォトプレス)、『新版 民族楽器をつくる』(創和出版)など。

 

 

[開催日程]

 6月28日(金) ※毎月最終金曜日開催予定

 ◆第一部 初心者向け教室

  「クラフトで覚えよう! ナイフの使い方」17:30~18:50

 ◆第二部 トークセミナー『人類と刃物』  19:00~21:00

 

 

[全12回スケジュール]

第1回

人類と刃物──考古学・文明学・身体科学の視点から

2013年6月28日(金)19:00~21:00

講師:関根秀樹氏

第2回

銃刀法の現状とその影響

2013年7月26日(金)19:00~21:00

講師:服部夏生氏

第3回

子供と刃物──肥後守(ひごのかみ)で鉛筆を削る学校

2013年8月30日(金)19:00~21:00

講師:鹿熊勤氏

第4回

子供と刃物── 冒険遊び場プレーパークでの刃物の役割

2013年9月27日(金)19:00~21:00

講師:天野秀昭氏

第5回

子供と刃物──子供と刃物──ナイフメーカーの脳育教育の取り組み

2013年10月24日(木)19:00~21:00

講師:ビクトリノックス・ジャパン株式会社 田中麻美子代表取締役

第6回

子供と刃物──山村留学のこどもが言いました。「刃物は生活のタカラモノ」

2013年11月22日(金)19:00~21:00

講師:グリーンウッド自然学校理事 佐藤陽平氏

第7回

3.11避難所での物づくり~刃物のチカラ~

2013年12月7日(土)14:00~17:30

講師:小野寺弘司氏

第8回

狩猟とナイフ──自然教育ソフトとしての解体技術

2014年1月30日(木)19:00~21:00

講師:森のたね代表 井戸直樹氏

第9回

スカウティングと刃物──世界最大の青少年野外活動組織とナイフ

2014年2月28日(金)19:00~21:00

講師:佐久間宣吉氏

第10回

森の匠の刃物講座

2014年3月28日(金)19:00~21:00

講師:佃正壽氏

第11回

野遊びと刃物 ──ガキ大将キャンプで30年間ナイフを与え続けて

2014年4月25日(金)19:00~21:00

講師:アドベンチャー集団!Do 代表 黛徳男氏

第12回

最終回 教育と刃物──刃物づくりの現場と総括(仮)

2014年5月29日(木)19:00~21:00

講師:自然系ライター 鹿熊勤氏

 

刃物刃物刃物

 

 

■開催レポート■

いよいよ第1回教育と刃物セミナーがスタートしました。講義と体験をあわせたこのセミナーは、「刃物は怖くて危険」という現代に浸透したイメージを問い直す、全12回のセミナーとなっています。

全てが講義形式ではなく、前半はナイフを使ったモノづくりを全セミナーでほぼおこないます。今回は篠竹を使ったタテ笛づくりをおこなっていきます。

 

はじめに、ビクトリノックス・ジャパン様よりナイフの使い方、次に講師の関根さんより、笛づくりの流れをレクチャー頂き、作業に入ります。口に触れる上部のカット、竹表面を炙っての掃除というシンプルな作業ですが、“ただの筒”から音を生み出すためには“技”が必要とされます。

参加者のみなさんはもくもくと笛づくりをされました。その姿は、「モノは買う」という近年の常識とは反し「モノを生み出す」ことが実は人間って好きなのだな!と感じさるのでした。

 

“ただの筒”から生み出せるのはタテ笛だけではありません。写真は、はホトトギスの音色が出せる笛。歌舞伎などで聞かれたことがあるかもしれませんが、他にもメジロ笛や牛笛など竹から生み出された楽器があります。

また、音を出すには息の吹き込みにもコツがいります。ボタン1つで音楽が流れる時代ですが、体も使って音を出す笛吹きに、どこか忘れていたものを思い出させる、“眠っていた血の騒ぐ”前半の体験会となりました。

 

第2部は、引き続き関根さんを講師に、コーディネーターの鹿熊さんと対談形式で「人類と刃物」について講演いただきました。

石を刃物に変えて、木を加工し、土を耕し、家を建て、火を起してきた人類。手先を動かしてモノを生み出すその作業は、神経回路や脳を発達させて、現代のような高度な文明を生み出せるほどになりました。また、さまざまな知恵(例:熱処理によって鋼や竹を槍に変えるなど)を生み出していきました。

『日本人は手先が器用でものづくりが上手』と言われていました。しかし、それも既に過去のものとなりました。刃物を使いこなせないこともそうですが、物質感覚がなくなり、観察能力も衰えました。それ以上に、包丁の刃に手を押し当てると手が切れることを知らない、火が熱いことを知らない、お米を洗剤で洗うなど、いままででは考えられないことをしてしまう学生や大人たちが続出しています。

(関根さん)

結局、人間も動物であるから、そこを抜きに子どもの成長は語れない。幼いうちは刃物などを使う親の姿を見て・真似て学び、自然の中で精一杯遊ぶ、という人類の進化の過程を経たうえでパソコンなどの文明に分け入らないと、手先は不器用になるし、目は悪くなるし、コミュニケーション能力も落ちる。人類はいまどんどん退化してしまっている。

(鹿熊さん)

1960年の浅沼稲次郎暗殺事件より、刃物犯罪が起きるたびに刃物をなかったことにする運動が徐々に強まりました。すでに刃物を使わなくなった人は1~2世にもおよびます。発達段階の教育において何が大切なのかを考え直さないと手遅れになってしまいます。

 

また、本セミナーでは毎回「ミニ刃物展」を開催しております。今回は、講師の関根さんと鹿熊さんの刃物コレクション、「土器コレクター」の茂木さんの作品、事務局瀧野の刃物コレクションを集め、約100点が勢ぞろいしました。手にとりながら見ることができる貴重な展示会となりました。

 

なお、ご後援いただいているビクトリノックス製品を各種販売しています。ナイフもありますが、「脳育」工作キットの竹とんぼなども大変人気でした。

次回は、7月26日開催で、刃物を知るうえで避けては通れない「銃刀法」のお話しとなります。

 

参 加 者 の 声
  • 知らない世界だったのでおもしろかった。子供に刃物の使い方を教えるのも大事だから。母親が刃物を知らないので親子で体験させるといいと思う。

     

  • 自分も含め、刃物から遠ざかっている若い人たちにどう使ってもらうか、深刻な問題と思いました。

     

  • 道具は人の生活とはなれるにつれて危険な使い方が多くなっている気がしました。

     

  • 悩みました。「近頃の若い者は・・・」という流れになっている気がして・・・。そうしたのは誰だ?と考えたときに、自分の経験・体験の伝承がされていないことに目が向いていない発言を多く感じてしまいました。若い人のせいではないはずなのに・・・。

     

[会 場]

 日本エコツーリズムセンター (地図)

 

[参加費]

 各回/1500円(6回券割引/8000円)

 

[コーディネーター]

広瀬敏通

広瀬敏通

1950年生まれ。20代にインドなどで障害児・孤児が自立できる村づくり活動などを経て、1982年に「動物農場」を富士の裾野に開く(現・ホールアース自然学校)。人間の成長には刃物を使う経験が不可欠だという信念から、子供たちが豚や鶏の解体を体験する「命を食べるプログラム」を実践。過去の大震災では被災地の支援体制作りに精力的に取り組む。

[日本エコツーリズムセンター代表理事]

 

山中俊幸

山中俊幸

雑誌・書籍・新聞・WEBの編集・記事制作、企業広告・商品広告の制作を行う広報のプロ。エコツアーや環境関連情報を発信するウェブサイト上の情報を一覧できる「エコツアー・ドット・ジェイピー」の制作者。

[株式会社クールインク代表/日本エコツーリズムセンター副代表理事]

 

鹿熊

鹿熊勤

1960年生まれ。アウトドアや農林水産業、日本の伝統技術などの分野で取材を続けるライター。野鍛冶を訪ね、地域の特徴的な刃物や技術を記録。訪ねた鍛冶屋は全都道府県計140軒を超える。近年は教育と文化の視点から刃物に関する提言を続ける。著書に『日本鍛冶紀行』『はたらく刃物』(ワールドフォトプレス刊)など。日本エコツーリズムセンター理事。

[フリーランスライター/日本エコツーリズムセンター理事]

 

 

★連続セミナー『教育と刃物』★

第1回「人類と刃物 ──考古学・文明学・身体科学の視点から」

 

【ゲストスピーカー】関根秀樹氏(和光大学非常勤講師/原始技術史)

【コーディネーター】広瀬敏通・山中俊幸・鹿熊勤

【日時】2013年6月28日(金)

    ◆第一部 初心者向け教室

     「クラフトで覚えよう!ナイフの使い方」17:30~18:50

    ◆第二部 トークセミナー『教育と刃物』 19:00~21:00

    ★「刃物のミニ博物館」も臨時開設予定!

【参加費】1,500円(飲み物・自作クラフト作品のお土産つき)

【協力・後援】ビクトリノックス・ジャパン株式会社

【協力】ワールドフォトプレス『ナイフマガジン』編集部

【場所】日本エコツーリズムセンター

    東京都荒川区西日暮里5-38-5 日能研ビル6F

 

日本エコツーリズムセンター地図

 

【お問い合わせ】日本エコツーリズムセンター

  TEL:03-5834-7966 FAX:03-5834-7972

 

【お申込み】下記のお申込みフォームまたは電話、ファックスでお名前、メールアドレス、ご連絡先電話番号を日本エコツーリズムセンター事務局にお知らせください。

※この取組は、独立行政法人国立青少年教育振興機構「子ども夢基金助成活動」の公募助成を受け実施しております。

 

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