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[2011.12.10-11]野生動物インタープリター研修・初級編

野生動物インタープリター研修・初級編

第一線で活躍中の講師陣による実践的な講習会を西日暮里で開催します。

野生動物インタープリターと言っても、動物を見せるだけが役割ではありません。楽しいツアーも、まずは野生動物との付き合い方についてインタープリターが正しい理解をもっている必要があります。

2日間の研修を通して、現状の問題を把握するとともに、野生動物との付き合い方について、ワークショップを交えながら考えます。

今後、中級、上級編も実施していく予定です。そのためにも、初級で考え方の整理をしておきましょう。

みなさまのご参加をお待ちしています。

 

前回の野生動物インタープリター研修会の様子はこちら

エコセンProject02

 


野生動物インタープリター研修・初級編 レポート

【一日目】

動物インタープリターという、新しいインタープリターの役割・社会的意義と、インタープリテーションの技術を学ぶ講習が始まりました。講師は帝京科学大学・アニマルサイエンス学科の小林毅さん。動物になりきってのスタート。

 

講師の田畑伊織さん。

 

小林さんが研究室から連れてきた、動物の骨や精巧なぬいぐるみを使って、受講生は照れながらも、自身のバックボーン、野生動物との関わりや研究、現在の仕事、これからやってみたいことなど、生き生きと自己紹介しました。

 

インタープリテーションは、動植物の名前や性質をそのまま教えるのではなく、「見えるものを使って見えないものを伝える」技術です。

基本的な考え方について座学を受けたあと、近くの公園へ行き、グループに分かれて、“自然”を伝えるインタープリテーションを実践しました。

葉を落とした樹木。姿を消した虫たち。こんな真冬に、自然体験のインタープリテーションができるのでしょうか?

 

グループごとに与えられたテーマに沿って素材を探します。よく観察すると、動物や植物の痕跡がそこかしこに見られます。

 

いた!

 

いよいよ発表です。各班は自分のテーマにぴったりな舞台を選んで、動植物にこめた自分達のメッセージを伝えます。このチームが本当に伝えたいことはなんなのか?みな真剣な様子で発表に耳を傾け、インタープリターの一挙一動に注目します。

 

聴衆役の受講生達にはちゃんと伝わったでしょうか?

意外なほどに発表者側の意図が伝わっていないことに気づかされます。

言葉の選び方、話のポイントの置き方、話の流れ・運び方。注意するポイントはたくさんありました。小林さんから発表者たちに実践的なアドバイス。

 

教室に戻って、全国の自然学校に協力して獣害の実情や対応策などについて聞いた「獣害アンケート」の結果を発表しました。

各地で体験活動や研究活動を行なう受講者たちにとっても、フィールドや地元を脅かす野生動物対策は死活問題。活発な意見が交わされました。

 

田畑さんからは、野鳥の密猟対策や傷病鳥獣保護など、市民が暮らす地域で野生動物の管理・保護を行なう鳥獣保護員の仕事について報告がありました。猟の対象にも過剰な保護にもなる野生動物を管理していく立場として、ルールづくりの苦労が伺えました。

そのルールの下地となるのは、さまざまな立場・認識の違う人たちの野生動物への理解が鍵となります。その場面でも、野生動物と人間の距離感を考慮した、インタープリテーションは有効な手立てとなりそうです。

 

【二日目】

 

二日目は、東京農業大学農学部バイオセラピー学科の安藤さんから。近年の野生動物がどれほど人に馴れてきたか。町と農村のスズメの逃避距離の比較などから分かりやすく解説を受けました。

 

これらの事例報告などを交えて、今後の動物と人間の距離のとり方・関係のあり方について、ディスカッションをしました。

ツアーや体験活動には、いろんな人が参加しています。「興味のない人にもうまく伝えるためにはどうしたらいいか」という話題でディスカッションしたグループからは、“相手をよく理解していないといけない”という意見が出されました。

「野生動物との距離感」を議題にしたグループでは、魚釣りから調理までを例として、動物も同じように、一連の流れを体感できると人間にとって身近になっていくのではないかという提案がなされました。

 

白熱したディスカッションを経て、講義修了です。

動植物が生きるその土地や野生動物を愛する人たちが、インタープリテーションを通してその素晴らしさを伝えて、理解者が増えていくことを目指して、講習は今後も続けて開催していきます。

 

参 加 者 の 声
  • おもしろかったし、すごく考えました。いいプログラムを作るのには、こんなに考えないといけないのかと驚いた。

     

  • 昔と現在の動物に対する考え方(価値)が変わっていたことが強く心に残った。自分にとって困ることなら動物を駆除することも可能だが、自分とあまり関わりを持ってないと「かわいそう」という感情が入ってしまうことをどうすればいいのか、すごく考えさせられました。

     

  • 実習では、自分だけでなくほかの方との考え方を聞くことができ、伝え方の難しさを改めて感じさせられました。

     

  • 価値観を誘導しないで参加者の自発的決断にゆだねる“インタープリテーション”は面白い姿勢ですね。実習は初体験で、伝えるということをはっきりさせて扱うということを考えさせられた。自分は普段、伝えたい事が多すぎ、総花的になるので、面白いとは言われるが、どれが伝わったのか分からないことが多々あるので、今後も研鑽したい。

     

  • 距離感を探る様々な研究事例は新鮮でした。

     

  • お互いに共存共栄できる距離感とは何か考えさせられました。

     

  • (ディスカッションでは)講師だけでなく参加者の経験を元にした様々な話が伺えてうれしかった。もっともっと話を伺いたかった。

     

  • 日ごろ議論する機会も少なく、とても有意義な話し合いができました。答えのないテーマに議論もつきず、みんなで話し合うこと自体がスキルを高めることにつながるのだと感じました。

     


野生動物インタープリター研修・初級編

【日 時】2011年12月10日(土)~11日(日)

【場 所】日本エコツーリズムセンター事務所(東京・西日暮里)

【参加費】エコセン会員:20,000円、一般:22,000円

 (現地までの交通費、宿泊・食費、交流会費は含みません)

【主 催】NPO法人日本エコツーリズムセンター

【申込み】下記の申込みフォームよりお申込ください。

 

※この研修は一般社団法人セブン-イレブン記念財団の公募助成を受けて実施しています。

 

講習内容

・オリエンテーション 

・インタープリテーション実習 

・野生動物に関する社会問題の現状ならびに動物と私たちとの距離感

・野生動物と私たちの誤った距離感ならびに野生動物と生態系サービスについて(レクチャー&ディスカッション)

・動物インタープリターが伝えるべきこと

・動物インタープリテーションのプログラムづくり

 

講師

  

小林毅

小林毅

(財)日本自然保護協会主任研究員、(株)自然教育研究センター代表などを経て、現職。一環してビジターセンターのインタープリテーション、インタープリターの養成を手がけてきた。野生動物を素材としたエコツーリズムを国内外で実施。

 

帝京科学大学アニマルサイエンス科 教授/インタープリテーション(IP)協会代表/日本エコツーリズムセンター理事]

 

安藤元一

国際基督教大学教養学部卒。九州大学大学院博士課程修了。1985年から滋賀県庁にて湖沼環境国際協力に従事。1995年から環境科学(株)で環境保全計画策定に携わる。2001年から東京農業大学に勤務。人と野生動物との関係を森林動物、都市動物、獣害、野生動物教育など幅広く扱う。     

 

[東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授]

 

田畑伊織

学生時代より東京奥多摩のカモシカ調査に従事。卒業後(株)自然教育 研究センターに就職、以後15年間都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村ビジターセンターのインタープリターとして勤務。また、インタープリターやエコツーリズムガイドなど環境教育指導者の人材育成を担当。

 

[自然教育研究センター特別研究員(非常勤)/東京都鳥獣保護員]

 

スケジュール

1日目 12/10

11:00 開講

18:00 講習終了

 

2日目 12/11

09:00 講習開始

14:00 講習終了

 

※スケジュール・内容は天候やその他の事情によって変更する場合があります

 

 

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