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[2013.9.28-30]野生動物インタープリター研修会《中級》in富士山麓

野生動物との共生プロジェクト

野生動物インタープリター研修会《中級》in富士山麓

動物と人との関係には様々な形があると同時に希薄になりつつある現代。野生動物と人との関係性をあらためて見つめ直し、共生を探るインタープリターを育成する講習会2013年度版がスタートします。ステップアップの《中級編》は、狩猟や共生の取り組みで元気な富士山麓で開催です。

■野生動物と人をつなぐインタープリター

インタープリテーション(以下、IP)は、触れたり感じたりできるものを通してその背後にあるメッセージや価値を伝えるための技術です。野生動物を素材にしたIPでは、ただ単に野生動物を見せる、あるいは存在を感じてもらうだけではなく、その体験を通して背景にあるもの(「生きものと人とのつながり」「人と動物との軋轢」「乱獲問題」「外来種」など)を伝えることが重要です。

この講習会では、そんな生態や魅力そのものだけでなく、人との関係性をも伝え、プログラム化や地域の課題解決のために行動し、野生動物と人との共生を目指す “野生動物インタープリター”を育成します。

 

■多様な講師陣によるIP育成プロジェクト

ここ2、3年で「野生動物と人」、特に「獣害と狩猟」を取り巻く世間の認識や取り組みは大きく変化しました。ジビエや狩猟にまつわる団体が立ち上がり、学ぶ場もさかんになりました。狩猟体験ツアーも存在します。そんな変化や情勢を踏まえながら、「野生動物との共生」を伝えるインタープリターに必要なスキルとは何か。地域の自然と動物に多様なアプローチで向き合ってきたインタープリターや有識者といっしょに初級・中級・上級に分けて講習会を作り上げました。

行政研究機関へのヒヤリングによると、複雑化する人と野生動物との関係性を正しく捉え伝えるスキルは、今後、地域や行政での市民の理解を得ながら、野生動物保護管理を計画・実施していくうえでも求められていると言います。

これまでの講習会には、野生動物プログラムを実施するインタープリターをはじめ、行政・観光協会関係者などが参加し、人と野生動物をつなぐインタープリテーションのスキルアップを目指しました。

 

■中級編では富士山麓をフィールドに

この中級編は狩猟や共生の取り組みで元気な富士山麓で開催します。

主任講師にインタープリターでありながら狩猟、獣肉・皮革活用、森づくりを実践し、狩猟に関わる人材育成や地元行政との野生動物保護管理など多様なアプローチをもつ井戸直樹氏を迎え、元気な地域の現場を知る鹿熊勤氏、自治体の野生動物管理に取り組む大橋正孝氏、さらには、人と動物のつながりを作り、里山地域に根ざしたホールアース自然学校のインタープリター・浅子智昭氏、小野比呂志氏にも登場いただきます。

獣害や野生動物との関係の現状を知り、深く考え、ディスカッションすることを通して自然と野生動物と人との課題を理解し伝えるインタープリターを目指します。

 

駆除や管理という対策では捉えきれない野生動物との関係を、社会の課題として改めて 認識し、伝えるスキルを身につけましょう。

皆さんのご参加をお待ちしております。

 

野生動物インタープリター《初級》の内容は こちら

野生動物インタープリター《中級》の内容は こちら。初級を受講していなくても中級は受講可能です。

エコセンProject02

エコセンProject13

 

静岡の野生動物管理のキーマンでもある半猟半インタープリター・井戸氏。

 

 


 

講習内容

◎獣害とは何か-獣害に取り組む各地の事例

全国各地を歩き、多くの地域の現状を知る鹿熊氏。獣害の歴史や地域の取組など紹介し、多様な視点を学びます。

◎家畜動物と野生動物

動物農場としてスタートしたホールアース自然学校ならではの、動物観を通して、日本的な自然観にも触れるセッション。

◎野生動物インタープリテーション論

引き出しの豊富なビジターセンターのチーフから、実践も交え、野生動物に特化したインタープリテーションを学びます。

◎野生動物ガイドのスキルと配慮

ワイルドライフのウォッチングガイドを企画する上での必要なスキルを学びます。

◎現役猟師が語る「猟師になる」

フィールドワークを中心に、猟師から見た野生動物との共生、距離感を体感し、理解を深める。

◎ジビエ体験

奥深いジビエと狩猟の関係を調理・試食を通して体験。

◎野生動物マネジメント論

静岡県森林林業研究センターでシカ管理に携わる現場責任者から個体数管理の現状と課題の共有を通じて、地域で取り組むワイルドライフマネジメントについて。

◎野生動物インタープリターに求められるもの

野生鳥獣と人との関係をモデル化し、ワークショップ・ディスカッションを交えながら、理解と今後の課題を見つめる。

 

講師

              

井戸直樹

井戸直樹

1976年大阪府生まれ。アウトドア体験と狩猟や自然農などの生活体験を作り上げる“森のたね”代表。富士山麓で地に足をつけた生活を目指し、狩猟&自然農畑に挑戦しながら、ホールアース自然学校でインタープリターとして働く。2009年に第一種銃猟狩猟免許所得。富士宮でぶつぶつ交換市や皮利用の製品開発も手がけ、仲間を広げている。一方、2012年は環境省の地域ぐるみの捕獲推進モデル事業を担い、わな猟技術講習会、ジビエ料理研修などを実施。「自然学校的野生鳥獣対策のススメ~利活用編~」講座など、狩猟の理解促進や人材育成を行い、地域をつなぐ役割も果たす。

森のたね 代表/ホールアース自然学校非常勤スタッフ]

 

鹿熊勤氏

鹿熊勤

1960年、茨城県生まれ。自然から生まれた知恵や日本の伝統を記録し伝えてきた自然系ライター。島根県美郷町など獣害に悩む地域へも取材を重ねる。今年は、子どもの刃物離れを危惧する熱い思いからエコセン連続セミナー「教育と刃物」をプロデュース。著書に『葉っぱで2億円稼ぐおばあちゃんたち』、『仁淀川漁師秘伝』、『木を読む』(いずれも小学館)、『江戸和竿職人歴史と技を語る』(平凡社)、『日本鍛冶紀行』(WPP)、『紀州備長炭に生きる』(農文協)など。

[自然系ライター]

大橋正孝氏

大橋正孝

1970年静岡県生まれ。静岡県の機関としては唯一、野生動物対策の研究に取り組んでいる森林・林業研究センターの上席研究員。学生時代は、北アルプスで、厳冬期-20度以下になる環境下でニホンザルの研究を行う。入庁後は、余暇を利用して県内でコウモリからツキノワグマまで多くの種を対象に捕獲、調査を行い、2006年から研究センターに配属となる。2011年に個体数が急増し被害が深刻化するニホンジカについてプロジェクトチームを立ち上げ、効率的な捕獲技術やだれでも簡単、安全に扱えるわな具の開発などに取り組む。第1種銃猟及びわな猟狩猟免許所持。

[静岡県・農林技術研究所 森林・林業研究センター]

 

浅子氏

浅子智昭

1975年東京生まれ。1993年よりホールアース自然学校の学生リーダーとして、子どもキャンプや自然体験活動に係る。卒業後、電気工事のエンジニア、すし職人を経て、2004年よりホールアース自然学校の正規スタッフに。2005年より沖縄のがじゅまる自然学校の校長に就任。主にキャンプ部門やアウトドアを全般的にこなしながら、家庭菜園を持ち、個人食料自給率を上げてきた。2011年ホールアース富士山本校に戻り、狩猟免許を取得。獣肉の活用やジビエ料理に取り組む。

 

[ホールアース自然学校/日本エコツーリズムセンター理事]

 

小野比呂志

小野比呂志

1973年茨城県生まれ。食品メーカーで商品開発に従事し、創り出す側へ視点の転換を楽しみ味わう。心機一転「自然ガイド」を目指し、東京環境工科専門学校にて2年間野生生物の生態に触れ、2002年にホールアースへ。2005年「愛・地球博」で出展ブースのディレクターを務めた他、会場内の自然案内ブースにチーフインタープリターとして参画。現在は田貫湖ふれあい自然塾チーフインタープリターとして運営全般に携わる。野生生物をテーマとした調査、プログラムの企画を得意とする。

[ホールアース自然学校 ビジターセンターチーフ]

 

松本美乃里

松本美乃里

1983年静岡県富士市(旧富士川町)生まれ。大学卒業後、広告企画提案営業やエコツーリズム推進事業の事務局で自然を生かした体験イベントを企画運営、実施を経て、2012年ホールアース自然学校へ。野生鳥獣捕獲推進モデル事業・事務局を担当しながら自身も狩猟免許(わな猟免許)を持つ女性ハンター。

 

[ホールアース自然学校 女性猟師]

講習会概要

野生動物インタープリター研修会《中級》in富士山麓

【日 時】2013年9月28日(土)~30日(月)

【場 所】ホールアース自然学校・森のいえ(静岡県富士宮市下柚野165)

【参加費】学生割引:20,000円、エコセン会員:25,000円、一般:27,000円

 (現地までの交通費、宿泊・食費、交流会費は含みません)

*宿泊費・食費は別途:2泊6食7,000円

【主 催】NPO法人 日本エコツーリズムセンター

【共 催】ホールアース自然学校

【申込み】下記の申込みフォームよりお申込ください。

 

※この研修は一般社団法人セブン-イレブン記念財団の公募助成を受けて実施しています。

 

 

 

スケジュール

初日 9/28(土)

13:30 集合

14:00 開講

17:30 講習終了。夕食その他

20:00 懇親会ほか

23:00 懇親会終了。就寝予定

 

二日目 9/29(日)

9:00 講習開始

19:30 講習終了。ジビエ夕食その他

21:00 懇親会ほか

23:00 懇親会終了。就寝予定

 

三日目 9/30(月)

9:00 講習開始

15:00 講習終了、解散

 

※スケジュール・内容は天候やその他の事情によって変更する場合があります

 

開催レポート

[一日目]

秋晴れの富士山麓にて、野生動物インタープリター研修会の中級が開催されました。

 

はじめに主任講師の井戸直樹さんから、この研修会の目的をお話いただきます。

1.野生動物が直面している現状を知りディスカッションを通して深く考えている。

2.野生動物と人とのかかわりについて、自らの意見をきちんと持ち、それが一般に通用するものとなる。

3.野生動物インタープリターとして実践できるレベルに達する

緊張が期待に変わる中、スタートです。

 

集まったのは11人。2人をのぞいてみな県外からの参加です。自治体で鳥獣対策に携わる人、自然学校に勤める人、自治体のレンジャーや会社員まで、多様な社会さながらに、さまざまなバックグラウンドの人たちが集まりました。

 

自然系ジャーナリスト・鹿熊(かくま)勤さんからは、「獣害」の事例についてお話いただく。獣害とひとくちに言っても、里に暮らす日本人にとっては、作物を使った防除、鹿垣など伝統的な対策など、獣害を空間的だけでなく、時間的にも広く見据えることで、対症療法ではない「あるべき自然と人間のつきあいかた」を考える視点をいただきました。

 

この富士山麓のホールアース自然学校は、家畜農場からスタートした、という歴史があるほど、家畜動物とのかかわりが深い自然学校です。人と動物との関係というと、“野生”と“家畜”を切り離して、あるいはごちゃまぜにして考えたり議論をしていることがあるという。ホールアースの浅子智昭さんの案内で、ヤギやニワトリなどの家畜、野生猪をペットにしている人などを訪ねて、その捉え方・考え方を整理しました。

 

[二日目]

一日みっちり学び体験し考える、2日目の講師・トップバッターは、ホールアース自然学校スタッフにして、田貫湖ふれあい自然塾のチーフインタプリター“小野比呂志”さんです。お話もイラストも、小野さんにとって伝える道具です。

 

「猟師になる」では、女性猟師・松本美乃里さんのレクチャーで実際に狩猟で使う“くくりワナ”をかける体験をしました。

 

里山を歩きながら、“うと”(=けものみち)をたどります。猟師でありインタープリターでもある井戸さんにつれられて、“猟師目線”の山歩きをすると、いつもの藪に獣の姿が浮かび上がってくるようです。

 

午後は「インタープリテーション」の講義でしたが、天気がいいので、外のデッキに移動してすがすがしくスタート。

 

「人に伝える」ことを意識して、実践してみるといろんな発見やポイントが見えてきます。明日はいよいよグループに分かれてインタープリテーションの実践です。

 

野生動物と人との関係のひとつに、「食べること」があります。地域の自然とバランスをとるために捕獲されたシカやイノシシをそのままにするのではなく、「食べる」ことは、動物を知ることでもあるし、命を無駄にしないという考え方につながっています。

普段食べている家畜のお肉と同じ様に、部位によっても、特徴があります。ちゃんと知っておいしく食べることも大切。元・お寿司屋さんの顔も持つ浅子さんが、肉の部位の説明や調理方法をレクチャーします。

 

調理したらみんなでおいしく「いただきます」。命をいただく、という気持ちを込めた言葉で残さず食べました。

 

[三日目]

最終日。2日間の学びを活かして、講師や仲間たちの前でインタープリテーションの実演。

 

参加者を巻き込むチーム、お笑いに目覚めた人・・・。各人の特徴が現れたインタープリテーションを受講者同士で楽しみました。最後にフィードバックをして、今後の発展につなげます。

 

静岡県農林技術研究所の猪鹿研究チームで野生動物管理に携わる大橋さん。日本の野生動物との関わりを歴史を踏まえて整理し、生態や現状の被害を踏まえた上で効果的な捕獲や、野生動物インタープリターへの期待を語りました。

 

この3日間を経て、いろんな気になるテーマや話し合いたいことが受講生にはどんどん出てきました。直前の大橋さんの講義から、猟友会や狩猟に興味が出てきた人たちもたくさんいたようです。大きなテーマごとに分かれ、それぞれディスカッションをして、課題解決や行動変容を導くインタープリターとは何か考える実践に取り組みました。

 

最後は、この研修会を経て、受講者・講師・スタッフ含めて、人と動物の関係を伝えるために何をしていくのか。それぞれ考え、発表しました。

「自然関係の仕事に就く」と具体的な大きなアクションを発表した人もいて、とても盛り上がりました。スタッフからは「もっと恵を使っていく猟師になる」「女猟師の目線を活かして、猟友会、自治体、地域の団体をつなげる」と挙げられ、長く管理と狩猟に携わる方からは「インタープリターになる」と話が出て、互いの専門性が交錯し交じり合い、影響しあうような意見も見られました。

皆さんから前向きな意見が出ている中でも、「動物のこともいつも見ていて知っている。人として生活している人の気持ちも分かる。そんな人と動物の間にいる現在の自分はどっちだろう?と思うけれど、やっぱり人間なんだと認識して、人としていろんな問題に取り組んで、伝えることをやめない」と話してくれた受講生の言葉は、野生動物インタープリターとは何かと考えるひとつの指針となるように感じつつ、中級編をぶじ修了しました。

 

 

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