[2008.03.07

カエルを救え!
2008国際カエル年
「両生類箱舟プロジェクト」
エコセンは広報面で協力します。

急速に減少している両生類は、全種の中で3分の1から2分の1が絶滅の危機に瀕していて、ここ数年でも120を超える種がすでに絶滅しているといわれています。ツボカビ症の急激な蔓延も深刻な事態です。

 

しかし、すばやく対応すれば数百、数千の種を救うことができる方法がある! それは、飼育下で個体群の生存を確保することで、動物園や水族館、植物園が即時保全のための繁殖場所を確保することです。

 

そこで、IUCN(国際自然保護連合)は、両生類の保護協力を動物園や水族館に呼びかけ、2006年、世界動物園水族館協会(WAZA)などとともに、短期的な人工飼育を開発、推進、指導し、野生では十分な保護が受けられない両生類の長期的な生存を可能にするための「両生類の箱舟」(Amphibian Ark, AArk)と呼ばれる協力プログラムを立ち上げました。

 

そして、今年、両生類箱舟プロジェクトがスタートさせたのが、「2008カエル年(2008 Year of the Frog)」世界キャンペーンです。

 

このキャンペーンの最大の目標は両生類が絶滅の危機にあることを世界中に広めること。また、企業の後援や社会貢献活動、一般市民や政府の参加によって資金を調達し、AArk の救済活動を支援し、両生類の長期的な持続可能性を確保することです。

 

日本エコツーリズムセンターでは、このキャンペーンに参加し、主に広報面での協力を行っていきます。日本では40近い動物園や水族館がキャンペーンに参加して、カエルにまつわるイベントなどを開催しています。そのような情報をエコツアー・ドット・ジェイピーなどとも連携しながら発信していくとともに、イベント開催なども行う予定です。
みなさんのお気に入りのカエル情報もお待ちしています! ケロケロ♪

 

2008国際カエル年

*IUCN日本委員会の解説記事はこちら

*両生類箱舟プロジェクトホームページ(英語)はこちら

 

 

 

2008カエル年

 

序文

Global Info Packより

 

 

世界中の人がカエルという生きものを知っています。カエルは卵で生まれて変態を経て成体になる特異な脊椎動物です。この優れたプロセスはカエルが水中から陸上に進出する上で重要な役割を果たしました。変態は進化をわずか数週間に凝縮したかのような光景ですが、私たちの想像力を掻きたてます。

 

今日、両生類はさまざまな種類を目にすることができ、水中や地上のいろいろな場所――大海や極寒の地は除いて――に生息しています。知らない人がいないほどの動物であり、多くの文化で神話や伝説、民話に登場しています。さらに、現在でも新しい種が発見されていて、カエルについて学ぶべきことがいまだに多く存在します。

 

それにもかかわらず、カエルの生息地の破壊が急速に進んでいるため、たくさんの種がその存在を発見される前に絶滅してしまう可能性もあります。治療方法がわかっていないツボカビの感染が急速に広がり、両生類の群集全体を脅かしています。そのため、両生類という一つの大きな分類群そのものが世界的に絶滅する可能性が――私たちがすばやく行動を起こさない限り――現実に存在します。

 

科学者の世界においては、飼育下繁殖がこの危機を遅らせる上で最も重要かつ適切な方法の1つであることが示されています。生息域外の好ましい条件のもとで、絶滅に瀕した種を飼育すれば、再び生息地に個体群を戻すことが可能なほど繁殖させることができます。そこで、IUCN/SSCの両生類専門家グループと野生生物保全繁殖専門家グループ、世界動物園水族館協会は、世界中のこのような生息域外プロジェクトを支援するため、「両生類の箱舟(Amphibian Ark)」を立ち上げました。世界中の動物園・水族館がこの取り組みに熱心に取り組んでいて、その施設内で適切な設備や繁殖場所を提供しています。

しかし、この事業の実施には世界中からの資金的・政治的支援が必要です。

 

そこで、皆様に対して「2008カエル年(2008 Year of the Frog)」世界キャンペーンへの参加を呼びかけることにしました。この事業の最大の目標は、両生類の絶滅の危機に対する世間の認識や理解を促すことです。この世界的なキャンペーンから得られた資金は、「両生類の箱舟」の調整支援活動や、さしせまった絶滅からの救出活動、専門家を育成するためのワークショップ、協力管理センターなどの地域活動に用いられます。また、2008年以降も継続する基金を設立することで、生き残っている個体群の持続的な飼育を保障します。

 

飼育下管理を支援する持続的な保全活動を早急に実施しなければ、私たちが生きている間にも、カエルというすばらしい生物の何百という種が絶滅する可能性があります。


デビッド・アッテンボロー卿
両生類の箱舟「2008カエル年」支援者

 

 

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